『華竜の宮』の世界観で、もう一本長篇が刊行されます2012/01/26

 2月8日発売の「SFが読みたい! 2012年版」(早川書房)でも少しだけ告知されますが、『華竜の宮』の世界観で、もう一本長篇が刊行されます。現在、鋭意執筆中です。

 今回の物語では、終局の〈大異変〉が発生するまでの激動の時代――〈最後の40年間〉が描かれます。主要登場人物が入れ替わるため、あとがきに書きました通り〈この世界観を使った別の物語〉となります。(※一部の人物は、再登場いたします)
 物語の〈語り手〉が変われば、同じ世界観であっても見える世界(光景)は一変します。〈別の物語である〉とはそういう意味です。

 タイトルは『深紅の碑文』。〈血で書かれた碑文〉という意味です。

 なお、「魚舟・獣舟」「リリエンタールの末裔」「華竜の宮」と続く一連の作品群を私は勝手に《 Ocean Chronicle シリーズ(OCシリーズ)》と呼んでいるのですが、今回の『深紅の碑文』をもって、《OCシリーズ》の長篇部分は完全に幕を下ろします。きれいさっぱり終わります。

 『深紅の碑文』が書かれてもなお、年代史上には空白の時代が残りますが(たとえば〈海上民誕生の歴史〉〈マキたちの旅路の果てを描くファーストコンタクトSF〉〈獣舟視点から描かれる海洋世界〉等々)それらをどう扱うかは、現時点では未定です。


 発売予定は2013年末。Jコレクションでの刊行となります。


#追記
「SFマガジン」2012年3月号にて発表された《第23回 SFマガジン読者賞》で「リリエンタールの末裔」が2位に選ばれました。投票して下さった方、ありがとうございます。この場所に名前が載ることになるとは、なんともうれしい驚きです!

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