SF短篇集『リリエンタールの末裔』(ハヤカワ文庫JA)が発売されます2011/12/04

 書店では、12月8日前後に並ぶ予定です。著者にとっては、第二短編集となります。
 早川書房さんのサイトに内容紹介が出ました。
 http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/21053.html

 今回は第一短篇集(光文社文庫)のときよりも、各々長めの短篇が収録されています。原稿用紙換算で「100枚」+「60数枚」+「70数枚」+「200枚(書き下ろし中篇)」。ちなみに、光文社さんでの短篇は各々40~50数枚。これは「異形コレクション」の規定枚数が毎回40~50枚前後と決まっているためです。異形の場合は、与えられたテーマと、この枚数にぴったりと収めるのが毎回の仕事で、今回の短篇はその縛りがゆるい、もしくは無い媒体だったので長めの作品が並んでいます。

 ちなみに「小鳥の墓」は230枚あり、今回の書き下ろし中篇「幻のクロノメーター」も、だいたいそれぐらい。書き下ろしは毎回自由なテーマでやることに決めている(載せてもらえる場がないような作品を書く)ので、今回もその趣旨でやっています。

第32回日本SF大賞を『華竜の宮』が受賞しました2011/12/14

●第32回日本SF大賞
 http://www.sfwj.or.jp/list.html
●第7回日本SF評論賞
 http://www.sfwj.or.jp/hyoron.html

 12月11日(日)東京・ジュンク堂渋谷店での記者会見において、第32回日本SF大賞の選考結果が発表されました。
 拙作『華竜の宮』が大賞を受賞しました。

 同時受賞として、特別賞と、特別功労賞(今回より新設)が併せて発表されました。

  ・特別賞
    『近代日本奇想小説史 明治篇』横田順彌(ピラールプレス)
    ※既存の近代文学史からはみ出していた奇想小説の歴史を捉え直した畢生の労作に対して

  ・特別功労賞
    小松左京
    ※日本SF作家クラブ設立者の一人として尽力し、日本SF発展の原動力として、生涯を通じて活躍した功績に対して


 あわせて発表された第7回日本SF評論賞では、拙作をテーマに書いて下さった渡邊利道さんの評論が優秀賞を受賞されました。

第7回日本SF評論賞(※大賞は該当作なし)

  ・優秀賞
   渡邊利道
    " 独身者たちの宴 上田早夕里『華竜の宮』論"

  ・選考委員特別賞
   忍澤勉
    " 『惑星ソラリス』理解のために――『ソラリス』はどう伝わったのか"
     

 候補に挙げて下さった方々、選考に携わって下さった方々、今回へ至るまでの日々で様々な形でお世話になった方々、デビュー以来ずっと応援して下さった読者の方々に、あらためてお礼申し上げます。

 ありがとうございました。


 【追記】 各選考委員の選評は、来年(2012年)1月21日発売の文芸誌「読楽」(徳間書店)に掲載されます。選考過程の詳細は、そちらをお読み下さい。